仮囲いの表側
仮囲いの裏側
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単管パイプを使用する際、用途によっては強度検討が必要です。
例えば右の2枚の写真をご覧ください。よく工事現場で見かける、通称『仮囲い』です。
工事現場の中が見えないように目隠しする材料ですが、これを支えているのが単管パイプです。
仮囲いは薄い鋼板で作られていて、専用の取付金具によって単管パイプと結合しています。
もし強風が吹けば、仮囲いが風をまともに受けるので、後ろで支えている単管パイプに負担が掛かります。
パイプは縦の力には強いのですが、横からの力には弱いのです。例えば、鉛筆を机に立てて上から押してもなかなか折れません。
しかし、鉛筆の上下を固定して真ん中あたりを横から叩くと簡単に折れます。
台風の際に仮囲いを支えているパイプが地面からちぎれた事例もあるほど風の力は強いのです。
硬いパイプがちぎれるなんて想像もつかないでしょうが、それほど自然の力は強いのです。従って、しっかりした強度計算が必要なのです。
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単管パイプの基本的な組立て方について説明します。
日本において単管パイプの強度検討をする際の根拠としては建築基準法があります。
建築基準法の中では、構造物に横から加わる力を必ず考慮します。これは地震や風の影響を受けるからです。
(※地震の無い外国では検討に入れない国もあります)
上の図は縦と横のパイプをクランプで結合している場合ですが、横からの力を受けると斜めに倒れてしまいます。
下の図は縦と横のパイプに加えて、斜めにもパイプを結合しています。このパイプを「筋交い」とか「斜めブレース」と言います。
これは横からの力への対処法です。オフィスビルやマンションにおいても、一戸建ての住宅においても、日本で構造物を作る時には必ず筋交いの原理が使われています。
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最近、太陽光発電の架台に単管パイプが使われています。
組み立て式の架台もありますが、低コストや施工性などの理由で単管パイプを使用しているようです。
この単管パイプの架台については、組み立て方やパイプとパネルの取付部分などで強度的に心配な面が見受けられます。
左の図をご覧ください。
水色の矢印は設置した太陽光発電システムにかかる力です。
1.架台に横から加わる力
2.パネルが上に引き上げられる力・引き下げられる力
3.パネルが持ち上げられる力
4.架台のパイプが引き抜かれる力
これらの力に対して、架台に使用されるパイプ、クランプ、取付金具などの材料が強度的に耐えられなければなりません。
しかし取付金具については、単にパイプとパネルを留めるだけの物で、強度の検討がされていない物もあるようです。
太陽光発電は長期間設置するものですから、しっかりとした強度検討をして頂きたいと思います。
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